現代語　古事記　／竹田　恒泰　著

日本最古の歴史書「古事記」は、天武天皇の命により、編纂（へんさん）がはじまり
天皇の系譜と古い伝承を稗田阿礼（ひえだのあれ） が読み調べ、それを太安万侶が書き記し、編纂し、
712年に完成した書物のことである。

この「古事記」
歴史の授業で名前は聞いたことはあるが、実際に読んだことのある人は少ないであろう。
もちろん原文を読むなどということは、容易なことではない。
そこで出版されたのが、旧皇族（明治天皇の玄孫）竹田 恒泰氏の書いた「現代語　古事記」だ。

「天照大神（あまてらすおおみかみ）」の誕生をはじめ、さまざま神々の誕生する様子は、とても興味深く、
そして思わず笑ってしまうほどの面白さがあるし、「稲羽の素兎（いなばのしろうさぎ）」「八岐大蛇
（やまたのおろち）」など、誰もが一度は耳にしたことのあるストーリーが登場するなど、とても親しみ
やすく、読みやすい。

膨大な数の「神」や「人の名前」が登場するので一見むずかしそうでもあり、混乱しそうにもなるが
「太字で書かれた神や人の名前以外は、覚える必要はない」と著者の竹田氏自身が語っている通り
それらを気にせず読み進めていくと、いつの間にか、この神話の面白さに引き込まれていく。

「建国の歴史や民族に伝わる神話を知らないのは、日本人くらいだ。」
そう言われてしまうほど、日本人は日本の歴史、文化に対する知識が他の国の人たちよりも
浅い。これは、本当に恥ずかしいことだ。真の国際人を目指すためにも、日本最古の歴史書
「古事記」は、日本人なら一読しておくべきであろう。